宮本酒造店の日本酒仕込み工程
蔵の命ともいえる、白山水系伏流水の軟水の井戸水。
以前より蔵元にはひとつの想いがありました。
「この水と同じ水系にある、地元の田で育った
酒米で【夢醸】を醸したい!」
蔵元の想いが現実となるまで時間は掛かりましたが、現在、夢醸の原料となる酒米は特A地区の山田錦以外、全てを地元の田で契約栽培していただいております。
契約栽培先:「農事組合法人 和多農産」様 ご紹介
「農業に二年生はない。いつまでたっても一年生。」
代表の和多昇氏は言う。「自然が相手の仕事。だから、毎年毎年違うんや。それが農業の醍醐味や。だから農業は何年やっても、いつまでたっても一年生なんや。」
お米は一年に一度の収穫。慣れてしまうことなく、常に変化を見極める。計画的に作付けを行うだけでなく、伝統的技法を重視しながら、最新の手法も試行する。
昭和40年代より土着力と人間力を最も大切にし、農業に勤しむながら、常に革新的な経営を行ってきた。
平成7年に農事組合法人として創立。
和多農産さんは全国的に名前の知られており、毎年増産しながらも生産が追いつかないという状況。更に酒米の契約栽培を上乗せして頂くことは、非常に難しい状況にありました。
しかし、蔵元の酒造りに挑む姿勢、品質に対するこだわり、地元の自然を意識した強い想いに共感いただき、正式に契約栽培を受諾していただくことが叶いました。
和多農産さんは「第35回日本農業賞大賞受賞」「 第45回天皇杯受賞」と日本一の栄誉を獲得されました。 やはり、その姿勢と考え方は素晴らしいものです。
水との相性、更なる旨味の可能性を引き出すべく実現した契約栽培ですが、実際に契約栽培米を使用してから、味わいのふくらみは増し、深さのある旨味を引き出せ、なにより香味バランスの優れた酒質を安定して表現できるようになりました。これは期待以上の効果です。
和多農産さんに白羽の矢を立てた理由は、本物の農家でありながら法人として体系化されており、技術面や考え方は勿論、後継者がしっかり存在し、育成も進んでいるという点です。20年後、30年後まで見据え、息の長いお付き合いをお願いできると判断したからです。