宮本酒造の日本酒仕込み工程
洗米は、麹米や特定名称酒の高精白の原料米に関しては、一粒一粒を丹念に手洗いで行っております。原料米表層に残る糠分を取除くために行う作業です。
画像からもご想像いただけるでしょうが、とても冷たい作業です。しかし、大切に育てていただいた酒米であり、日本酒の要となる酒米。大切に、心を込め、丁寧に作業を行います。
毎日早朝より、前日に手洗いしたお米を甑(こしき)にて蒸し上げます。緻密な計算と培った技によって、極上の蒸し米に仕上げます。
蒸気で加熱することで麹菌による作用を受け易くし、更にはお米を殺菌する効果もあります。この作業はかなりの重労働のため、連続蒸米機などの機械の導入が進んでいますが、最高の蒸し米に仕上げるべく、今でも手造りにこだわっています。
麹造りは吟醸麹は蓋麹法を、それ以外の麹は箱麹法にて行っております。
特に吟醸麹に関しては、当蔵独自の手法を駆使し、昼夜問わずに管理する、徹底した麹造りを行っております。
昔から「一麹、二酒母(モト)、三造り」と言われ、特に酒造りにおいて重要な工程とされています。
伝統の技と長年蓄積されたデータを駆使し、麹造りと同様に徹底した温度管理を行う「夢醸流酒母造り」を行っております。
9号酵母や14号酵母(金沢酵母)、特別配合酵母等々、目的に応じた酵母菌を元気に純粋培養しております。
酒母は正に酒の母。美味しいお酒の一滴を生み出すためにも、酒母の健康には十分に注意をはらっています。
大吟醸等の総米450kgから純米酒等の総米1,400kgの規模まで、目標とする酒質に応じて仕込みの大きさを変えております。朝夕の櫂入れ、温度管理はもちろん、蔵内全体にわたって醪に一番良い環境を保持しています。
冬場は非常に寒い土地ですが、温度操作に関しては保温用のマットや、冷水を循環させるジャケットを使用する程度で、醪自身の力による自然な発酵を大切にしております。
吟醸酒や純米酒以下は自動圧搾機にて搾りを行いますが、大吟醸酒は袋吊り搾りを行います。
袋は毎年新しいものを用意し、入念に熱湯やアルコールで殺菌消毒を行なったものを使用します。
極上の酒質を醸し出すために、細心の注意を払っております。
搾った後のお酒のほとんどはビン貯蔵にて、それぞれの目標とする酒質に応じた温度帯の冷蔵庫や低温倉庫にて貯蔵・熟成しております。
無濾過生酒等、特別な商品は繊細な酒質を保持する為に、きちんと低温管理の出来る酒販店にしか出荷致しません。また瓶詰・火入殺菌に関しては特定名称酒のほとんどを、一本一本手詰めしたものをビン火入れにて行っております。